暗闇に浮かぶオレンジ色の悪魔
掃討、対空用そして対艦、対戦車戦と様々な局面で活躍する金沢独立軍の主力トロットモービル。
開戦前から、資源確保や生産能力で劣る独立軍司令部は、多用途化、汎用化を軸に兵器開発を進めていた。 このKTM-03チゴゲンについても当初は対戦車兵器として企画立案されたが、軍の開発方針に沿って他の用途にも使用できるように設計を見直すこととなった。
対戦車はもちろんのこと、対艦、対要塞、対潜水艦兵器をすべて搭載することによる機体の大型化を避けるため技術者たちが出した答えは、主砲(機体前面の発射管)を共用し、砲弾(ミサイル)を変えるというものであった。
各用途のミサイルのサイズを統一し、同一の発射管を用いて、攻撃目標にあったミサイルを射出することで、多用途トロットモービルとしての条件をクリアし、その汎用性によって、独立軍の主力トロットモービルとして製造されることとなった。
多用途発射管と並び、チゴゲンのもう一つの大きな特徴と言えば、巨大な脚部機構と背部に取り付けられた2基のバーニアから生み出される推進力による跳躍性能である。
5メートル足らずの機体が18メートルもの高さまでジャンプすることができる。 この跳躍力により、チゴゲンは包囲された際の緊急回避や、掃討戦や追撃戦で相手の前方へすばやく移動し、敵の行く手を阻むなどの行動ができるようになる。 「オレンジ色の悪魔」の通称は、逃走中の敵軍兵士がチゴゲンのジャンプによって自らの行く手を遮られた際に無線で味方に漏らした言葉だと言われている。 金沢独立軍駅西方面陽動部隊(通称クラハシ隊)にも1機配備されており、ムツミ・マエカワ曹長が搭乗している。